designer’s voice -fissure ring-

"designer’s voice"ではデザイナーのYukiがアイテムのこだわりや
製作の背景をご紹介いたします。



maleの大きなコンセプトの一つとして”欠けている”というキーワードがあります。
今回ご紹介する”fissure ring”はその”欠けによる不足”を
テーマに製作いたしました。
今回はその製作背景と審美的こだわり、お手入れの方法について書いていきます。



fissure ring



亀裂の入ったシルバーはあえて加工は加えず、
シルバーを削り出したそのままの質感を。
しっかりとしたボリュームながらも、
身ざらしのシルバーは白く光を反射し、上品な質感に仕上がっております。




”足りない”

 
”足りない”という言葉を聞いたとき、どんなものを想像しただろうか。
グラスに4分の1程度にしか注がれなかった水。
通信制限になってしまったスマートフォン。
一人前じゃいっぱいにならなかったお腹。
私が"fissure ring"で表現したかった"足りない"は
こんなものではなく1週間何も飲み食いしていないような。
生死に関わるような飢餓的な”足りない”でした。



審美的こだわり

 
実を言うとこのfissure ringは
Vol.2の時に一度完成していたのですが、
出来上がった製品に納得がいかず、一から作り直しをしたものになります。
通常、アクセサリーを作るとき、手書きでのラフ、正確なデザイン画、CAD、
3Dプリンターでの試作、原型を製作しての実際の素材でのサンプル作成
の順で製作を行なっていきます。
最終段階の原型を作る工程では決して安くはない
原型の製作費がかかってくるため、
3Dプリンターで出来上がってきた樹脂サンプルで何度も試作はするのですが、
今回はそれが上手くいかなかった例とも言えます。

製品となった”fissure ring”の表面は白仕上げというツヤをあえて無くした状態で
仕上げております。
この白仕上げは、写真や動画では繊細な質感を映し出すことが難しく、
ぜひPOPUPなど足を運んでいただける機会がございましたら
ご覧いただけますと大変嬉しく思います、、!


試作のサンプルを見た瞬間に手書きのラフからやり直し、
原型も作り直し、今の形となりました。
fissure ringは試作とは異なり、亀裂は深くシンプルに。
そして表面はなるべく弄らず、シルバーそのままの質感を。
これからよりたくさんのものを吸収できるように。




お手入れ


通常、一般的なシルバー製品は制作の最後の工程で磨き上げることによって
銀色がでており、表面は凹凸が少ない状態になっております。
しかし、fissure ring は光沢がない、
つまり表面に凹凸が多い状態で仕上げているため、
空気に触れる表面積が増えることで鏡面仕上げなどより
硫化が進みやすいと言えます。
ですのでお手入れが少し難しく、
通常のシルバークロス等で拭いてしまうと
本来の質感が損なわれてしまうのでご注意くださいませ。


そして、今回は3段階でのお手入れの方法をご紹介いたします。

〈1〉着用後にはセーム革などのやわらかい布での乾拭き。
汗や皮脂汚れをそのままにしないだけでも、変色を予防する効果があります。

〈2〉何となく汚れてきたかな?という感じた時は、
ぬるま湯での洗浄。
より汚れが気になる場合は、油汚れを洗い流すイメージで中性洗剤を加えたぬるま湯を使い洗浄すると良いです。
洗った後は水分を拭き取り、よく乾かしてくださいませ。

〈3〉液体のシルバークリーナーの使用。
少し費用と手間はかかりますが、購入当時の白さが戻ります。
また、取り扱いには注意が必要なので説明書をよく読んでご使用ください。
今回ご紹介したお手入れの〈3〉につきましては
不定期で開催しているPOPUPにてご来場していただいた方には、
無料でサービスとして行なっておりますので、
ぜひ、お手入れにお困りでしたらご相談くださいませ。
また、InstagramやLINEで個人的にご相談にも乗ることができますので
是非お気軽にご相談ください。



ぜひストーリーと一緒にお楽しみくださいませ。
〈fissure ring〉